国際ワークショップ「アジアのGIAHS サイトにおける経験と教訓」
中国や韓国、日本において、数千年にわたり実践されてきた伝統的な農業は、多様な農業生態系と文化を育んできました。これまでに、中国では6 つ、日本では2 つのサイトが、そのダイナミックな保全と順応的な管理によって、国連食糧農業機関(FAO)から世界農業遺産(GIAHS)に認定されています。また現在、中国と日本で候補サイトがGIAHS 認定を申請しており、韓国もサイトの申請を予定しています。しかし一方で、こうした伝統的な農業は、グローバル化や慣行農業に押され、深刻な脅威に直面しており、能登においても、里山里海の自然資源の持続可能な利用と生物多様性の保全の強化が急務となっています。
本ワークショップでは、中国、韓国、日本の専門家をはじめ、地域の関係者を招き、これらの国におけるGIAHS サイトの生物多様性保全と農村開発に関する経験と教訓を共有します。さらに、幅広い分野の関係者と専門家による意見交換では、「能登の里山里海」が、どのようなランドスケープを遺産として保全し、持続的な生態系と経済を実現し得る新しいビジネスの展開に利用すべきかを議論します。
日 程 : 平成25年5月28日 (火) 13:00 – 17:00 (受付12:30~)
場 所 : 金沢市文化ホール3 階 大会議室(金沢市高岡町15-1)
主 催: 国連大学高等研究所いしかわ・かなざわオペレーティング・ユニット(UNU-IAS OUIK)
共 催: 国連大学サステイナビリティと平和研究所(UNU-ISP)、サステイナビリティ・サイエンス・コンソーシアム(SSC)、
言 語: 日本語と英語(同時通訳あり)
お問合せ: UNU-IAS OUIK (unu-iasouik[at]ias.unu.edu、076-224-2266)
参加申し込み:こちらから
プログラム
13:00 – 13:15 | 開会挨拶 竹本和彦(UNU-IAS OUIK 所長 ) |
第一部 アジアにおけるGIAHS の発展 | |
13:15 – 13:35 | アジアにおける伝統的農業とその将来 武内和彦(国連大学 上級副学長) |
13:35 – 13:55 | 中国におけるGIAHS の発展 閔慶文(中国科学院 教授) |
13:55 – 14:15 | 韓国におけるGIAHS の発展 キム・サンブン(韓国農村振興庁国立農業科学院 農業環境部研究士) シン・ヨンクァン(韓国農水産大学 教授) |
14:15 – 14:35 | 日本におけるGIAHS の発展 永田明(国連大学サステイナビリティと平和研究所 シニア・プログラム・コーディネーター) |
14:35 – 15:00 | 休憩 |
第二部 GIAHS がもたらす地域の保全活動の課題と可能性 | |
15:00 – 15:15 | ハニの棚田の独特な文化的景観としての多面的機能と価値 角媛梅(雲南師範大学 教授) |
15:15 – 15:30 | 済州道のバッダム(黒石垣畑)農業システムのGIAHS 申請 ユ・ウォンヒ(済州大学E留学センター課長) |
15:30 – 15:45 | 「能登の里山里海」における棚田保全: オーナー制度からブランド化へ 陳碧霞(UNU-IAS OUIK リサーチアソシエート) |
第三部 意見交換 | |
15:45 – 16:45 | アジア諸国における今後の連携 座長:中村浩二(UNU-IAS 客員教授/ 金沢大学 特任教授) |
16:45 – 17:00 | 閉会挨拶 |
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